勤務間インターバル制度
勤務間インターバル制度とは、終業時刻から次の始業時刻までの間に、一定時間以上の「休息時間(インターバル)」を確保する取り組みです。2018年に労働時間等設定改善法が改正され、2019年4月1日より企業の「努力義務」となっています。
例えば、11時間のインターバルを設定している場合、ある日の就業時刻が23時だった従業員は、翌朝の始業時刻が本来9時であっても、11時間のインターバルを確保するため、就業時刻を繰り下げて、10時から始業することになります(23時+11時間)。

制度のねらい
この制度は、働く人の生活時間と睡眠時間を十分に確保することで、過労死の防止、メンタルヘルス不調の防止、ワークライフバランスの向上、労働生産性の維持・改善をねらいとしています。
労働時間さえ短ければよいというものではなく、十分な休息のためのインターバルの時間が確保できているかが心身の健康にとって重要であるという観点からこのような制度が推奨されています。
勤務間インターバルの効果に関する研究
・IT企業の従業員を対象にした研究では、勤務間インターバルが長いほど、拡張期血圧が低く、睡眠時間が長く、また、起床時に前日の疲労が残っておらず、勤務時間外における仕事との心理的距離は取れていることが統計的に明らかとされています。(久保他, 2018)
・一方で、勤務間インターバルが十分でも睡眠時間が短いと健康リスクが生じる可能性を示唆する研究(池田他, 2023)もあります。
早く帰宅できてもスマホを眺めているうちに寝るのが遅くなり、睡眠時間が十分に確保できていない人は少なくないでしょうから、勤務間インターバルを企業が制度化するだけではなく、睡眠をはじめとしたセルフケアの教育も重要と考えられます。
義務化の議論
EUでは原則11時間の勤務間インターバルを設けることが法律により義務化されていますが、日本では努力義務に留まっています。
2025年1月時点では、日本では制度の導入率は6.9%とまだ低く、とりわけ中小企業は低い状態です。
厚生労働省の労働政策審議会では、11時間のインターバルを罰則付きで義務付けることが議論されています。
引用・参考文献:
・久保智英 他 (2018). 「1 ヶ月間の連続観察調査による勤務間インターバルと疲労回復-IT 労働者と交代勤務看護師における検討-」.労働政策研究報告書JNIOSH-SRR-No.48
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/doc/srr/SRR-No48-1-1.pdf
・池田大樹 他 (2023). 「勤務間インターバルと睡眠時間の組み合わせと職業性ストレス簡易調査票による高ストレス判定及び病気欠勤の関連-日本の日勤労働者を対象とした WEB 横断調査-」. 労働安全衛生研究, 16(2):201-208

