ラインによるケア

「ラインによるケア」は、厚生労働省の「心の健康づくり」における「4つのケア」の一つで、上司が部下に対して行うケアのことです。この場合の「ライン」とは「指揮命令系統」という意味です。
「ラインによるケア」には次の3つの役割が期待されています。
・職場環境の把握と改善: 過重労働になっていないか、人間関係に問題はないかを確認し、ストレスの少ない職場づくりを目指す。
会社がストレスチェックの集団分析を行なった場合、管理監督者に職場の結果が返却されたら、結果をよく読み、職場改善に繋げることも「ラインによるケア」に含まれる・部下の相談への対応: 部下から相談を受けた際、話を丁寧に聴き、必要な配慮やアドバイスを行う
・不調の早期発見と適切な対応: 「いつもと違う」部下の変化に気づき、状況を確認し、産業医や人事部などの専門部署へつなげ、連携して対応する(復職者についても同様)
「ラインによるケア」は、安全配慮義務を履行するためという法的な面からも、また職場の生産性を維持するためというマネジメント的な面からも重要です。
メンタルヘルスに関する管理職研修の効果
メンタルヘルスに関する管理職研修を1回だけ行なった効果についての研究(Tsutsumi, et al., 2005)では、管理職の3分の1以上が参加した部門と、3分の1未満しか参加しなかった部門の結果が比較されています。
それによると、研修から3か月後、前者の部門の従業員は、後者の従業員よりも、精神的ストレスが低く、また、自己申告による仕事のパフォーマンスが向上していました。
さらに、職場におけるトラブルが減少し、従業員を相談窓口や医療機関に繋ぐ件数も減少しました。
また、イギリスの大規模な調査研究(Hassard, et al., 2024)では、メンタルヘルスに関する管理職研修は、従業員の定着率の向上、顧客サービスの向上、仕事のパフォーマンスの向上、精神疾患による休職の減少など、重要な改善と統計的に有意に関連しているという結果が得られました。
このような研究からも、管理職にメンタルヘルスに関する基礎的な研修を行うことは、従業員の健康にも仕事のパフォーマンスにも良い影響をもたらすと言えます。
引用・参考文献:
・Tsutsumi, A. et al. (2005). Effects of a supervisory education for positive mental health in the workplace: a quasi-experimental study. J Occup Health, 47(3):226-35.
・Hassard J., et al. (2024). The relationship between line manager training in mental health and organisational outcomes. PLOS, July 17, 2024.
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